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「活を入れる」

『春は曙光(しょこう)、夏は短夜(みじかよ)』岩佐義樹/毎日新聞校閲グループ(ワニブックス社)

この本は、季節の言葉について記載しています。

「活を入れる」は季節の言葉なのか?

いえいえ、秋といえば、食欲、芸術、読書、スポーツです。

「活を入れる」という慣用句には、特にスポーツに関して使われるとは限りませんが、語源は柔道に基づくようです。

「活」は柔道の締め技などを受け、気絶した人の意識を取り戻すための方法のことで、「活法」という熟語もあります。そこから一般的に「刺激を与えて元気づける」という意味になったと考えられます。

ですから、「活」の字が正しいのですが、「喝を入れる」という誤記が多いです。叱る意味で使う「一喝する」「喝を食らわす」の「喝」との混用でしょう。

禅宗のお坊さんが「喝!」と大声で叱るイメージと、監督などが劣勢を何とかしようと大声でチームを鼓舞する「カツを入れる」場面と結びついて、「喝を入れる」という字が広まったと思われます。

 

「活」→生きる。元気づける。「活を入れる(気絶した人をよみがえらせる。刺激を与えて元気づける/死中に活を求める」

「喝」→叱る。どなる。「活を食らわす/一喝する」*禅宗で、誤った考えや迷いを叱り、励ますときに発する叫び声。

『使える用字用語辞典』(三省堂)より

 

叱られるよりは、何かのアドバイス・きっかけ・ヒントをもらって、元気づけられたほうがいいですよね。