職場体験実習のすすめ


実習には、「就職を目指した職場体験実習」と「インターシップ」があります。

 

◆就職を目指した職場体験実習

「就職を目指した職場体験実習」(以下、「実習」といいます)は、企業にとっては採用した場合の担当職務の選定や必要な配慮事項の把握を行うことを目的としています。採用前の段階で企業と障害者の合意によって実施されるものですが、この実習に関しては、公的な運用基準はありません。

特定求職者雇用開発助成金などは、過去に当該該当者の雇用歴がある場合(実習が労働にあたる場合)、雇用の予約(雇用するから応募するようにと働きかける)をした場合などの実態があると受給できません。またハローワークなどの職業紹介事業を経由することが必要となります。※助成金を受けない場合は、この限りではありません。

この実習は、障害者にとって、最終的にはその事業所への就職を希望するか否かを判断するための重要な期間となります。また職務内容だけではなく、職場の雰囲気や通勤の負担など様々な角度から検討することができます。

 

◆インターンシップ

「インターンシップ」は、就労移行支援事業所や、特別支援学校に在籍中の障害者が、訓練の一環として一定期間の実習を行うものです。企業側も受け入れた実習生の評価をすることが求められます。

実際の職場での遂行業務を経験することにより、実習生の技能習得状況を確認し、実習生自身が実際の職場とはどのようなものかを理解するために実施します。

また、職場で求められる「マナーやコミュニケーション」、「必要な体力」、「時間管理」、「健康管理」などの就労準備性について、実習生がどれくらいできているか、何を向上させるかを体験的に学ぶ場となります。

(教育の一環としての位置づけ)

 

🔲実習を行うメリット


企業側も実習者もお互いを知ることができます。

◎応募者が面接だけではアピールできなかった点が見える。

◎会社の社風にあった人材の採用ができる。

◎実習者が実務を行うので、実際の業務の理解度が分かる。

◎社内の理解を高めることができる。

◎雇用する前に職場内の体制の整備や業務の見直しをすることができる。

 

🔲実習中に確認しておきたいこと


「実習中にはできていても、雇用後も当然できるし、それ以上の伸びしろがある」とは限りません。

◎実習期間と同じモチベーションで、3か月後、半年後、1年後も継続できそうか。

◎実習中の適度な緊張感を、就労してからも維持できるか 。

◎自分のペースで休憩時間が取れているか。

🔲実習を行うことのデメリット


 マンパワーがかかります。

実習を行うまでには、事前の準備、情報の整理、社内での周知、体制を整えます。実習の内容を決め、一緒に働く担当者を選定します。事前に支援機関の担当者と相談の上、体験する内容を検討して、実習を進めます。

支援機関の側からすれば、過去に実習の受け入れや採用してもらった企業に対しては、頼みやすいので、何度も依頼されることがあると思います。今後の採用やお付き合いの中で、受け入れの可能な範囲・状況をみながら行ってください。

🔳ワンポイント


「実習」は「労働」?

文部科学省高等教育局長通知(30文科高第786号)によりますと、実習生を受け入れる企業等と当該学生との間で雇用契約を締結した上で実務を行う形態(以下「雇用型」と言います)と、実習先企業等と学生との間で雇用契約を締結せず、職場体験や実務を体験する形態(以下「非雇用型」と言います)とが想定されます。

「雇用型」の学生については、労働基準法第9条の「労働者」に該当し、賃金支払い、安全衛生、労働保険の取扱い等について、実習先企業等に雇用される他の労働者と同様に、労働関係法令等の適用対象となります。例えば、賃金については、最低賃金以上の賃金の支払いが必要となります。

一方、「非雇用型」とする場合、臨地実務実習(※企業その他の事業者の事業所又はこれに類する場所において、当該事業者の実 務に従事することにより行う実習による授業科目)の内容が見学や体験的なものであるため、原則として学生は労働基準法第9条の「労働者」に該当しません。ただし、直接生産活動に従事するなど、実習作業による利益や効果が実習先企業等に帰属し、かつ、実習先企業等と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働基準法第9条の「労働者」に該当し、労働関係法令等の適用対象となります。当該学生が労働者に該当するか否は、個々の実態に即して総合的に判断されることに留意する必要があります。

「非雇用型」の場合でも、学生の安全の確保などの観点から、以下の措置を講ずることが望ましいと思われます。

①学生と実習先企業等との間で、書面により、基本となる実習内容、条件等を記載した確認書を交わすこと。

②学生の安全衛生その他の作業条件について、労働基準法及び労働安全衛生法の規定に準ずる取扱いをすること。

③大学等は、実習に係る災害が発生した場合の補償のために、保険制度への加入その他の災害補償のための必要な措置を講じること。

また、「非雇用型」の場合であっても、学生の実習へのインセンティブを高めるため、実習先企業等が学生に対して報奨金等の手当を支払うことは可能です。

  

大学等の授業科目として行う企業内実習等の実施に係る労働法上の留意事項について(通知)

より抜粋しました。